記録・資料として残る大切な一冊
記念誌・周年誌
どのような事業であっても、創業(創設)から現在に至るまでにはさまざまな出来事や困難があるものです。そうした道のりを記録として残すのが社史であり、創業年からの節目の年に制作される場合には周年記念誌と呼ばれます。ほかにも落成記念、受章記念、追悼など多くの節目で記念誌は制作されますが、業界関係者に献呈することも多く、長く大切に保管してもらえるよう装丁にもこだわりが求められます。
意義と目的
社史・周年記念誌のつくり方には、歴史や実績などの記録を中心とするもの、創業者の功績を伝えるもの、さらに関係者が当時の思い出を綴るものなどがあり、どこに重点をおくかで内容もさまざまです。まずは発行の目的を明確にし、どのようなものをつくりたいかというイメージをはっきりさせたうえで内容とボリューム、サイズや装丁を決めていくことが大切です。
発行の目的
- 資料の整理
- 会社の歴史を学んで未来に生かしてもらいたい
- 節目を意識してもらいたい
- 社員とその家族に会社への理解を深めてもらいたい
- 創業者の考えや会社の理念を再認識するため
- 業界の内外に実績や社会貢献をアピール
- 企業のイメージづくり
- 営業・求人ツールとして など
企画に関して
発行の目的や配付する対象の範囲によりますが、記録や資料として残ることを前提にしっかりとした内容を企画していきます。原稿のもととなる記録や写真が残っているか、当時のことを覚えている社員等に取材が可能か、どのようなデータが掲載可能かなどをまず精査したうえで、何を取材し、だれに原稿執筆を依頼するかを検討していきます。
よくある企画内容
- 創業からの歴史
- 創業者の功績を伝えるストーリー
- 社長・役員あいさつ
- 関係各位からの祝辞
- 経営理念・社訓
- 社長対談
- 座談会(創業当時の社員、経営者と社員、各部署の社員同士など)
- 社員アンケート
- 社員・関係企業・顧客からのメッセージ
- 実績などのデータ
- 社員名簿
- 支店・部署等の紹介
- 年表(世界・日本・業界などの動きと併記)
- 編集後記
- 奥付
制作の進め方
よく聞かれるのが制作期間ですが、これは事前資料がどの程度そろっているかによって大きくかわります。過去に発行した記念誌がある場合や関係者が執筆した回顧録がある場合、社内報などを通じて記録や写真がていねいに残されている場合などは1~2年で制作可能ですが、記録の掘り起こしから始めなければならない場合にはさらに多くの時間が必要です。また、歴史に関する文章は後世に残る資料として正確さが求められますから、詳しければ詳しいほど内容の精査にも時間がかかるとお考えください。
制作の流れ
- 記念誌編集室を立ち上げ(社内会議等で方向性を決定)
- 制作会社との編集会議(企画・デザイン・スケジュールの決定)
- 記録・資料提供(原稿資料および写真)
- 取材・撮影・ライティング(関係者への執筆依頼、座談会の手配)
- 初校(校閲・校正)
- 原稿入稿~レイアウト
- 再校(2校)(各部署、執筆者、決定権者への確認)
- 校了~印刷入稿
- 色校正(色校)
- 印刷・製本
- 発行